1. 方針を、実際の設定にするとどうなるか

案件ごとの粗利が見えにくい、と感じたことはないでしょうか。

課題編では案件ごとの粗利が見えにくい理由を、方針編では組み方の4つの方針をご紹介しました。

本記事では、その方針を形にした設定の中身を、Zoho CRMを設定する方に向けて解説します。

HeyKnotが組んだ設定は、次の3つです。

設定

HeyKnotが組んだ中身

見積から加工案件を作る

見積の詳細画面に、関数を動かすボタンを置く

仕入れを案件に割り当てる

加工案件の中に、仕入明細の表を持たせる

原価と粗利を出す

再計算のボタンで、記録した金額から計算する

💡画面の会社名と金額は、置き換えています。

2. タブは、顧客から加工案件までの5つに分ける

2.1 タブのつながり

流れは顧客マスターから始まります。顧客マスターに商談と人物がつながり、1つの商談の下に見積が並びます。承認された採用見積から加工案件を作り、加工案件に仕入れと加工を記録して、粗利を出す順番です。

タブ

記録する内容

顧客マスター

取引先の会社と、つながる商談・人物

商談

顧客ごとの案件の入り口と、つながる見積

見積

仕様や数量が違う案と、改訂版

加工案件

採用見積から引き継いだ内容、仕入れ、加工、売上、原価、粗利

商品・仕入先マスター

商品と、仕入れ先の会社

2.2 見積は1つの商談に複数つなげる

見積は、1つの商談に複数つなげられます。仕様違いの案や数量違いの案、改訂版を同じ商談の下に並べて比べる使い方です。

採用された案と採用されなかった案の区別は、一覧の表示で分かります。

3. 見積に「加工案件へ引き継ぐ」ボタンを置く

3.1 カスタムボタンと関数

加工案件は、見積の詳細画面に置いたボタンから作ります。ボタンはZoho CRMのカスタムボタンで作り、押したときの処理には関数を使いました。

カスタムボタンは、処理の中身を先に設定しておき、押すだけで実行できる機能です。

見積のボタンの設定画面。「加工案件へ引き継ぐ」は詳細画面に置き、処理は関数にしている

3.2 ボタンを押したときの動き

ボタンを押すと、関数が加工案件を作ります。顧客・商談・元の見積・販売明細(商品・数量・単価)・担当者・発行日は、見積の値が入ります。

加工案件ができない場合

  • 未採用の見積では、ボタンを押しても加工案件はできません。
  • 未承認の見積でも、ボタンを押しても加工案件はできません。
  • 同じ見積でボタンを2回押したときは新しく作らず、すでにある加工案件を案内します。

💡加工案件ができるのは人がボタンを押したときだけで、見積を保存しただけでは作られません。

4. 加工案件に、仕入明細と加工の記録を持たせる

4.1 加工案件の詳細画面

加工案件の詳細画面には、顧客・商談・見積への参照と、仕入原価・自社加工費・外注費・原価合計・粗利が並びます。

販売明細は、見積から引き継いだ商品・数量・単価・金額の表です。

4.2 案件の仕入明細

仕入れは「案件の仕入明細」に1行ずつ記録します。項目は、次の6つです。

  • 商品
  • 仕入れ
  • 仕入先
  • 使用数量
  • 仕入単価
  • 案件仕入金額

仕入先は仕入先マスターを参照する項目にしたので、名前を文字で入れる欄はありません。

加工案件の仕入明細。商品・仕入れ・仕入先・使用数量・仕入単価・案件仕入金額の行と、案件仕入金額の合計

1回の仕入れを複数の案件で使うとき

案件ごとに使った数量と金額を割り当てます。各案件の原価に入るのは、割り当てた金額だけです。

4.3 加工の記録

加工の記録には、工程・担当・進み具合・自社加工費・外注内容・外注費を入れます。自社加工費と外注費は別の項目にしました。

納品のタブは作らず、請求情報は加工案件の画面の最後に置きました。

5. 原価と粗利の計算の式

案件原価と案件粗利は、次の式で出します。

項目

計算

案件原価

案件に計上する仕入原価+自社加工費+外注費

案件粗利

販売金額合計−案件原価

計算は、加工案件の「原価・粗利を再計算」ボタンで動かします。

💡商品ごとの仕入金額と、案件に割り当てた金額が合わないときは、計算を止めて知らせる作りです。

6. カンバンの列は、加工案件の進捗で分ける

加工案件の一覧は、加工前・加工中・納品済の3列のカンバンで見ます。カンバンは、タブの一覧で切り替えられる表示です。

列の区切りには加工案件の進捗の項目を使い、カードには売上と粗利を出しました。

💡倉庫の在庫の残数や棚卸しは、今回の設定に入れていません。案件に使った材料の数量と金額は、案件の仕入明細に記録します。

まとめ

今回は、お客さまのZoho CRMでHeyKnotが組んだ設定の中身をご紹介しました。

  • タブは、顧客マスターから加工案件までの5つに分けました。
  • 見積の詳細画面に、加工案件を作る関数のボタンを置きました。
  • 加工案件に、仕入明細と加工の記録を持たせました。
  • 原価と粗利は、再計算のボタンで、記録した金額から計算します。
  • 加工案件の一覧は、進捗で分けた3列のカンバンで見ます。

案件の組み方の考え方は方針編に、案件ごとの粗利が見えにくい理由は課題編にまとめています。あわせてご覧ください。