なぜCRMの構築より業務の再設計を先にするのか

HeyKnotのCRM導入支援は、見込み客の定義や商談の段階を決める工程から始めます。決めた流れをもとに、CRMの項目とステージを設定します。

CRMの項目やステージを設定するのは支援の後半です。着手してからしばらくは、見込み客の獲得から受注後の対応までの流れを書き出す工程が続きます。書き出した流れをHeyKnotが示す標準の型に当てはめ、見込み客の定義や商談の段階や各段階で入力する項目をコアメンバーと一緒に決めていきます。

設定から始める進め方が間違いというわけではありませんし、むしろ多くの導入支援はCRMの設定から入っていると思います。

業務の流れを先に決めるのは、流れが固まってから設定に入るほうがCRMが現場に定着しやすいと考えているからです。

この記事でわかること

  • CRM導入支援は何から始めるのか
  • 設定の前に「流れ」と「項目」を決める
  • 独自の業務フローを残すか消すかの決め方
  • AI時代に標準へ寄せる理由

著者情報

永山 正和

永山 正和

CRM/顧客管理に携わって10年以上。セールスとしてラクス、Agoda、Salesforce、HubSpotにてCRM提案営業に従事。600社以上の提案/導入実績。HeyKnot株式会社を創業後、AI・マーケティング・営業・CS・オペレーションを一気通貫での仕組みづくりを強みとしてプロジェクトマネージャーへ。

CRMの項目は業務の流れで決まる

CRMの項目やステージは、会社の業務の流れに沿って決まります。商談の段階が決まっていればステージは段階の数だけ作ればよく、各段階で入力する項目も自然に決まります。

たとえば営業部門では「名刺交換をした人」を見込み客と呼び、マーケティング部門では「資料を請求した人」を見込み客と呼んでいたとします。同じ会社の同じ言葉であっても、指しているものが異なります。

定義がそろってから設定に入れば、見込み客の件数は営業とマーケティングで同じ数字になります。両方の部門が同じ画面で同じ意味の数字を見られるようになり、部門をまたいだ会話がしやすくなります。

だからこそ、設定の前に「見込み客とは誰のことか」「商談化の条件は何か」「受注までに何段階あるか」を、コアメンバーと一緒に決めるようにしています。

特殊に見える業務の大半は標準に収まる

業務の流れを書き出したあとに確認しているのが、標準の型で回るかという点です。標準の型とは、見込み客の獲得から受注後の対応までの流れと、各段階で入力する項目の一式を指します。

書き出しの場では、「自社は業務が特殊だ」というお話をよく伺います。ただ、実際に並べてみると、特殊だと思われていた業務の大半は標準の型に収まります。業種が違っても骨組みはほとんど同じで、標準から外れる工程は1つか2つに絞られることが多いです。

もちろん、独自の工程があること自体を否定しているわけではありません。まず標準の型に当てはめ、当てはまらない工程だけを取り出す順番で進めると、独自に作る項目とステージは最初に想定していたよりかなり少なくなります。項目が少ないほど、現場の入力が続きやすくなります。

独自の工程はコアメンバーと一緒に決める

標準に収まらなかった工程については、独自のステージとして残す前に「本当に必要な工程なのか」をコアメンバーと一緒に決めていきます。

決める場には、営業責任者と現場のリーダー、マーケティング担当者と情報システム担当者にお集まりいただきます。HeyKnotが標準の型を示し、自社の工程を型のどこに当てはめるかを一緒に決めていきます。

たとえば製造業の法人営業で、「見積のあとに技術検証の工程がある」という流れが残ったとします。一緒に検討してみると、技術検証は受注に直結する工程なのでステージとして残すと決まる場合があります。反対に「以前の担当者がおこなっていた工程で現在は必要がない」とわかり、工程を減らせる場合もあります。

私たちの経験では、残る場合も減る場合も珍しくありません。

更新されるのはCRMではなく「コアメンバー」

工程を決め終えるころには、参加したメンバーが「見込み客とは誰か」「商談は何段階か」を同じ言葉で説明できるようになっています。営業責任者が暗黙のうちに使っていた受注の判断基準が言葉になり、現場のリーダーは同じ基準を自分の案件に当てはめて話すようになります。

自分たちで決めたステージと項目は、支援期間が終わったあとも守られ続けます。支援後にCRMへ入力してレポートを見て、次の商談を決めていくのは一緒に工程を決めたコアメンバーです。

振り返ってみると、CRMを作る過程で変わっているのは、コアメンバーが商談の段階と入力する項目を自分たちの言葉で決められるようになった点でした。HeyKnotが支援しているのはCRMの構築とあわせて、コアメンバーが自社の業務の流れを決められるようになることだと考えています。

AI時代に標準へ寄せておく理由

業務の流れを標準に合わせておく理由は、AIを使う場面が増えるほど強くなると感じています。

CRMに組み込まれているAIの機能は、標準的な商談の段階と項目を前提に作られています。商談の要約や次の行動の提案や受注見込みの計算は、標準の型に沿ったステージと項目ほど手を加えずに使えます。

業務の流れを標準に寄せておくことは、AIを使う準備を先に済ませておくことにもなります。

業務の流れを決めてから設定に入る進め方を続ける

見込み客の定義と商談の段階と各段階で入力する項目が決まっていれば、CRMの設定は迷わず進みます。項目もステージも自動化のルールも、すでに言葉で決まっているからです。

コアメンバーと業務の流れを決めている期間が、CRMが定着するかを決めている期間だと考えています。だからこそ、今後も業務の流れを決めてから設定に入る進め方を続けていくつもりです。

著者情報

永山 正和

永山 正和

CRM/顧客管理に携わって10年以上。セールスとしてラクス、Agoda、Salesforce、HubSpotにてCRM提案営業に従事。600社以上の提案/導入実績。HeyKnot株式会社を創業後、AI・マーケティング・営業・CS・オペレーションを一気通貫での仕組みづくりを強みとしてプロジェクトマネージャーへ。

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